2013年12月20日金曜日

ウェブサイト開設に寄せて

喜びだけでなく、悲しみにも感謝しよう。
成功だけでなく、失敗にも感謝しよう。
希望だけでなく、絶望にも感謝しよう。
持っているものだけでなく、ないものにも感謝しよう。
豊かな時だけでなく、足りない時にも感謝しよう。
勝利だけでなく、敗北にも感謝しよう。
健康だけでなく、からだの痛みにも感謝しよう。
いのちだけでなく、死にも感謝しよう。
(ジョン・クゥアン著『一生感謝・365日』より)

上の言葉は、12月15日の大和キリスト教会(カルバリーチャペル)の週報「石の枕」で紹介されたものです。
この1年間の出来事を振り返ると、詩の一行一行がズシンズシンと心に染み込みます。
まるで大川牧師が私のために紹介してくださったのではないかと思えるほどでした。

実は、10月30日に私は大川牧師を訪ね、新しく出来上がった「ともに歩む会」のリーフレットを教会に置かせていただけないかとお願いしました。
それに目を通された先生は、「私たちプロテスタントの教会が、カトリックのシスターの働きを少しでも応援できるなんて、何と素晴らしいことでしょう。時間を差し上げますから、あなたから教会員にアピールしてください。」と言ってくださいました。
私はその報せを持って、危篤の連絡があったシスター根岸の病室に急ぎました。
そこには、与えられた使命をすべて為し終えたシスターの姿がありました。
そして翌11月1日の朝、シスター根岸は神様のもとに静かに帰られました。

今年30周年を迎えて感謝で一杯であった「手を貸す運動」を、8月に突然終結しなければなりませんでした。
そして9月1日、「ともに歩む会」を20数人の発起人と共に立ち上げました。
最初は、手を貸す運動終結時の四分の一にも満たない支援者数でした。
スタッフ会の席でいろいろ思い悩む私を、「ゼロからの出発でないことを感謝しよう」と励ましてくれたのは、スタッフの方々でした。
「ルンサはまだとても貧しくて、子ども達はいつもお腹を空かせているの。でも、無理はしないでね。皆さんの祈りが一番力になるんですから」とシスター根岸は病床で言われました。
手を貸す運動から続けて支援してくださる方に加え、新たに支援の輪に加わってくださる方も続いています。
シスターは「ともに歩む会」の発足を見届けるようにして天に召されましたが、11月30日に行われた「シスター根岸を偲ぶ会」は、不思議な温かさに包まれました。
シスター根岸の笑顔と、感謝の心を忘れずに「ともに歩む会」の歩みを続けたいと思います。
これから、どうぞ宜しくお願い致します。
ともに歩む会 代表 菅野勝治郎


*「ともに歩む会」ウェブサイトの制作は、会報とリーフレットのデザインを担当していただいたポップキャッチ社に依頼しました。安井様、橋本様が親身になってご協力くださいました。心から感謝します。
*「ともに歩む会」では、会報を年4回発行します。このウェブサイトでは、会報をそのまま掲載します。しかし、支援者からの寄稿文の執筆者名はイニシァル表記といたします。まだの方は是非会報の創刊号から見ていただけると嬉しいです。
*このブログは、主に代表が、随時、その時々のお知らせなどを掲載します。最低月1回は更新できるように努力します。

ともに歩む会」が発足してからブログを開設するまでの間、領収証に添えてにお送りした「短報」(現状報告)を、皆様にお知らせするために、また会の記録として残すために、このブログに再掲したいと思います。

シスター吉田を交えてのスタッフ会 11月30日

2013年12月5日木曜日

シスター根岸を偲ぶ会

11月30日、シスター根岸の笑顔を思わせるような秋晴れの日に「シスター根岸を偲ぶ会」が開催されました。会場はシスターが日本滞在中の住居にされた宣教クララ修道会の一室です。普段はシスター方だけが使用するお部屋のようにお見受けしましたが、会場いっぱいの29名の方々が参加してくださいました。遠く、北海道や埼玉から馳せ参じてくださった方々もあり、皆様からいただいた追悼文の綴りも配られました。
 最初に「賛美と祈りの時」を持ちました。司会者(代表)の簡単な祈りの後、讃美歌「いつくしみ深き」や「主に任せよ」が歌われ、讃美歌の間に3名の方々が、心に響く祈りをささげてくださいました。
 その後、御聖体の宣教クララ修道会 日本地区長のシスター アンヘレス トーレス様、シスター根岸の弟・根岸和光様からご挨拶があり、シスター吉田富美子さんが「シスター根岸のシエラレオネの働きと、シエラレオネの今日」という題でお話をしてくださいました。シスター吉田の話を聞いて、改めてシスター根岸の足跡の偉大さを思い、また、今どれ程支援が必要であるかを思わされました。シスターは、「お陰さまで、徐々に現地の生活は改善に向かっているが、ここで打ち切ると今までの努力も無に帰してしまう。もうちょっと支援を続けて欲しい。」「アフリカの時間の流れでは、もうちょっとと言うのは50年間ぐらいだ。」と言われました。参加者の中には50年後もまだ活躍できそうな若い方もおられたので、嬉しくなりました。
 シスターのお話の後、シスター根岸が支援者であるハウエルさんにお願いして作曲していただいたという「バラの聖母マリア」という歌を皆で歌いました。また、龍谷大学教授の落合雄彦先生が病床にシスターを訪ねてインタビューしてくださったビデオも観させていただき、シスター根岸を偲びました。

 最後には、参加者一人ひとりが、一言ずつでしたが、シスターの思い出などを語ってくださいました。下の写真は、最後の集合写真です。シスター根岸の笑顔に負けない笑顔を作ろうとの呼びかけに、皆が素直に応じられるような、とても温かい雰囲気に包まれたシスター根岸を偲ぶ会でした。

                

2013年11月10日日曜日

悲しいお知らせ






深冷の候、皆樣、如何お過ごしでしょうか。
「ともに歩む会」は、手を貸す運動の支援者であられた多くの方々へのお知らせも儘ならない、真に厳しい船出となりましたが、引き続きの支援を表明してくださった方々から多くの励ましをいただき、心から感謝いたしております。


さて、私どもにとって、大変悲しいお知らせをしなければなりません。
「ともに歩む会」の立ち上げを心から喜んでくださり、「相談役」就任も快諾してくださった、シスター・レティシア・根岸美智子さんが、入院先の練馬光が丘病院にて、去る11月1日午前8時16分に、主のみもとに帰られました。

10月26日に発行いたしました会報創刊号でお知らせいたしましたとおり、シスターは、がん研有明病院の医師からは「悪性リンパ腫のがんは消滅したと考えてよい」との診断を受け、これからは快方に向かわれるとの希望を持っておりました。しかし、抗がん剤の副作用か、日々体力は衰えるばかりで、一抹の不安も感じてはおりました。
10月21日に練馬光が丘病院に入院し、検査を受けた結果、脳にがんの腫瘍が広がっていることが判明。入院から10日目の10月30日、シスターの弟さんから「主治医に呼ばれ、いつ急変するかわかならいと言われた」とのメールを受けて私が病院をお訪ねした時には、血圧はかなり下がっており、栄養補給のための鼻からの管も外され、息遣いが荒い状態でした。
しかし、丸刈り頭の少年のような姿の中に、「神様のしもべ」として、壮絶な人生を人のために捧げ尽くした者だけに与えられるような、何とも言えない勇者のような輝きが見られました。
その夜、病室に泊って付き添われた宣教クララ会のシスターお二人に看取られて、シスターは静かにこの世での命を終えられました。

シスターが亡くなられる5日前の10月27日に、前日発行・発送された「ともに歩む会」の会報・創刊号とリーフレットを病室にお届けしました。すでに瞳も定まらない状態でしたが、その時はじっと会報に視線を止めてくださいましたので、恐らく「この日が来るまでは・・・」との思いで、生き永らえてくださったのだと思い、深く感謝しております。
シスターの闘病中、快復をお祈りくださり、お見舞いくださり、お励ましくださった、支援者の皆々様に、心より御礼申し上げます。

通夜が11月4日に、葬儀は5日に、御聖体の宣教クララ修道会にて執り行われました。ともに歩む会からも「支援者一同」として生花をお供えいたしました。
私どもにとりまして、シスター根岸が亡くなられたことは、この上ない悲しみでありますが、これからもシスターは私どもとともに居てくださることを信じ、シスターのご遺志を継いで、シエラレオネの子ども達の明るい未来のために、ともに歩んでいきたいと思います。今後とも、どうぞ宜しくお願いいたします。

11月3日にシスター吉田富美子さんが看病のためにシエラレオネから帰国されました。一足違いで生前のシスター根岸に会うことは叶いませんでしたが、OLG学園・マリアイネス職業センターの全校生徒が、シスターのお見舞いのためにと歌ってくれた歌や祈りのDVDを持参され、通夜・葬儀の前に流されました。きっと、シスターも、それを聞いてくださったと思います。
シスター吉田さんは12月7日まで日本に滞在されます。シスター吉田さんの滞日中にと思い「シスター根岸さんを偲ぶ会」を別紙のように計画いたしました。
急なご案内ではありますが、ご都合がつきましたら是非ご出席くださり、シスター根岸さんを偲ぶ時をともにしてくださいますようにお願いいたします。



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<シエラレオネ地区長 シスター・エリサ・パディジャからのメール  
                                         2013112
親愛なる菅野さんと支援者の皆様へ、

皆様がシスター根岸のためにしてくださった全てに対して感謝いたします。
主は彼女を主にふさわしい者と認めましたので、愛の火をもって清めてくださいました。
あなた方の親しさ、配慮に感謝いたします。皆さまは、彼女にとって兄弟姉妹であり、親であり、彼女のために全てとなってくださり、ありがとうございました。あなた方に主の報いがありますように。
こちらでは、多くの人々が悲しみを表しています。私たちも同じです。私たちのシスターは、私たちより先にいきました。シスター根岸は彼女のために永遠に準備をされていた冠を受けました。
私たちの創立者が、「心の立琴」の中で、「彼女は私たちの間で生き続け、残ったシスターたちの行く道を啓発し、導いてくれる星となって下さる」と述べています。
天国にいる彼女は、私たちの最大の仲介者となってくださることでしょう。
本当にありがとうございました。神の祝福が皆様の上にありますように。
                        シスターエリサと共同体の一同より
                            ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ ♥ 

いつか召される時には「やったー!!」と両手を挙げて神様のもとに帰りたいですね、皆さん!    
        
 (シスター根岸さんのことば・数年前の山王原キリストの教会での講話より)


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2013年10月28日月曜日

会報とリーフレット

「ともに歩む会会報創刊号」をお読みいただいての早速のご支援、本当にありがとうございます。この度の「手を貸す運動」の突然の終結と「ともに歩む会」の立ち上げにつきましてもご理解いただき心より感謝いたします。
「手を貸す運動ニュース99号は理解に苦しんだ。追って、後継団体からも連絡があるだろうから、それを待っていた。」という声が多数私の耳にも入って来ました。しかし、そのために佐藤氏へのハガキの郵送をためらわれた多くの方にはこちらから連絡の方法がなく、本当に残念な思いをいたしております。それでも、全くゼロからの出発ではないことを感謝して一歩一歩、歩んでいきたいと思います。宜しくお願い致します。
会報の「本部から」にも書きましたが、手を貸す運動では「預かり証」でしたが、ともに歩む会では「領収証」としてお届けいたしますので、ご了承ください。
        

お届けした「会報・創刊号」とリーフレットは、如何でしたでしょうか。どちらもまだ歩み出したばかりで経済的な基盤もない私どもには勿体ないような出来栄えのものですが、リーフレットは支援者の知人でポップキャッチ・安井裕紀氏のご奉仕で恐らく印刷実費のみでの制作費で収めてくださいました。会報のデザインも安井氏によるもので、印刷は玉川学園のご協力でこれも、従来の半分以下の費用でできました。ともに歩む会のスタートがこのように皆様の協力でできましたことを感謝いたします。
リーフレットも会報・創刊号も残部が多数ありますから、支援の輪を広げるのに活用いただける方は是非お知らせください。
シスター根岸は、会報の最終ページでお知らせした後に、大きな変化がありました。がん研有明病院の最終的な診断では、がんに関しての治療は終了したものと判断するとのことだったそうですが、シスターの病状は良くならず、10月に入ると突然言葉が出なくなり、右手の拘縮が見られました。お見舞いに行ってくださったお医者様が、脳内に異常が発生しているのではないかと判断され、10月21日に練馬光が丘病院に入院されました。

これからは、日に日に寒さが厳しくなって参ります。どうぞ、ご自愛ください。

2013年9月28日土曜日

領収証について

いつもご支援をいただき、本当にありがとうございます。また、この度の「手を貸す運動」の突然の終結と「ともに歩む会」の立ち上げにつきましてもご理解いただき、早速にご送金をいただきましたことに心より感謝申し上げます。まだまだ準備に追われる日々ですが、10月5日には佐藤正明氏より「手を貸す運動ニュース99号」が発送され、手を貸す運動終結の正式のお知らせがなされます。それを受けて、10月26日には「ともに歩む会 会報1号」をお送りして新団体設立のご挨拶を申し上げる予定にいたしております。

 手を貸す運動では、支援金のご送付に対しては「お預かり証」を発行いたしておりました。これは、お送りいただきました支援金は「手を貸す運動」で一時お預かりして、やがてそれはすべてシエラレオネのOLG学園等に送金いたします、ということを明らかに示すためでありました。
 しかし「ともに歩む会」では「領収証」として発行させていただくことにいたしました。それには主に二つの理由があります。一つには、手を貸す運動の時でも、支援団体様などから会計処理のために「預かり証」ではなく「領収証」を発行して欲しいとの要望をいただくことがありました。また、お振込みいただきました支援金の100%が現地校へ送金される訳ではなく、年4回発行されるニュースレターの印刷・郵送費などにも年間約100万円の運営費としても使わせていただきますので、文字通りの「預かり金」とはなっておりませんでした。改めて現地校からの領収書をお届けすることも不可能です。これらの理由のために「領収証」とさせていただきます。ご理解くださいますようにお願いいたします。
 この度は、「手を貸す運動」へのご送金でしたが「ともに歩む会」からの領収証とさせていただきます。どうぞご了承くださいますようにお願いいたします。
 この対応につきましては、先に行われた手を貸す運動の臨時総会で清算人の佐藤正明氏も了解の上で決定されたことに従っております。今後とも、何卒よろしくお願いいたします。    

シスター根岸はPET検査の結果、がんが消えているとの嬉しい診断でした。しかし、抗がん剤の影響による体力の低下が激しく、まだ安心できる状況ではありません。